契約社員とは、雇用期間の定めがある労働者です。「契約社員はボーナスがもらえない」といったイメージが強いかもしれませんが、実際の支給の有無は法律ではなく会社の判断に任されています。

本記事では契約社員と正社員の違いや、ボーナスがなくても契約社員で働くメリット、収入を増やすための具体的ポイントについて解説しています。収入を増やしたい方必見です。

契約社員はボーナスをもらえる?

多くの正社員がもらっているボーナスですが、契約社員のボーナスについて、法的な定めはありません。ボーナスの支給有無は、企業により異なります。まずは契約社員と正社員の給与やボーナスの違いについて解説します。

契約社員のボーナスは法律では決められていない

ボーナス(賞与)は、企業が利益を上げた場合、従業員に還元する意味で支払う一時金です。誤解されやすいですが、労働基準法にはボーナスに関する規定はありません。正社員、契約社員どちらに対しても、法律上、企業はボーナスを払う義務がなく、払う・払わないは、完全に企業の自由です。

「正社員=ボーナスあり」「契約社員=ボーナスなし」とのイメージが強いかもしれませんが、両方にボーナスを支払っても支払わなくても、法律上企業への罰則はありません。

ボーナスの支給は企業による

前述したように、ボーナスの支給を決めるのは企業です。契約書にボーナスに関する記載がなければ、ボーナスは支給されません。また支給される場合、求人票などに前年度の支給実績が記載されているケースがあります。

東京都産業労働局令和2年3月発表の「契約社員に関する実態調査」では、令和元年に有期雇用契約社員全員にボーナスを支給した企業は、37.6%でした。また無期雇用の契約社員は52.9%と、有期雇用に比べて多いものの、正社員と比べると低い数字です。

参考:東京都産業労働局「契約社員に関する実態調査」

契約社員と正社員の給与やボーナスの違い

正社員は月給制が多く、ボーナスのほか昇給システムが用意されているケースが多いです。一方、契約社員は月給制、日給月給、時給制など、会社により計算方式が異なります。ただ、給料だけを見た場合、それほど大きな差がないケースがある一方、ボーナスを含めるとその差は歴然です。

特に契約社員のボーナスは、寸志といった形で渡されることもあり、年齢を重ねてもそれほど金額が増えないケースも少なくありません。正社員と比較すると、平均80万円以上の差が生まれることもあります。

同一労働同一賃金の導入により見直される可能性もある

正社員と非正規雇用者などの労働形態による待遇の格差を解消するため「同一労働同一賃金制度」が2020年4月に、中小企業は2021年4月に施行されました。正社員と同じ仕事を行う契約社員やパート・アルバイトなどの非正規雇用に対して、同額の賃金を求めるものです。

ガイドラインには、賞与に関しても、会社の業績に応じて支給するものは、同一の貢献であれば同一の金額、違いがあれば違いに応じた支給をしなければならないとの記載があります。

しかし、現状は違反しても具体的な罰則などもなく、企業によって対応の内容はさまざまです。また、ある程度ボーナスが改善されたとしても、ボーナス以外の面での待遇格差は存在します。

契約社員として働く前にボーナス以外にも知っておくべきこと

契約社員として働く選択肢もありますが、正社員との違いはボーナスだけではありません。まずは、下記3点の違いを押さえておきましょう。

  • 雇用期間
  • 社会保険や福利厚生
  • 業務内容

それぞれの内容について、具体的に解説します。

雇用期間

正社員は無期雇用であり、契約更新なく定年まで働けます。一方、契約社員は有期雇用のため、最長3年(特例に限り5年)の契約が一般的です。また契約期間は半年、1年など企業によって異なります。お互いの同意があり契約更新となれば、継続して勤務できます。

契約期間が通算5年を超えると、労働者が希望した場合「無期雇用契約」への切り替えが可能です。ただし、その場合も契約社員という立場に変わりはありません。

社会保険や福利厚生

法律で定められている社会保険(法定福利厚生)に関しては、雇用形態が異なったとしても、会社の従業員数や1週間の所定労働時間などの条件を満たすことで、契約社員も加入できます。

ただし、法定外福利厚生である交通費や各種手当、社割、企業年金、退職金などに関しては、雇用契約により異なることが多いです。正社員のみといったルールを定めている会社も多いため、契約社員として働く前に必ず内容を確認しておきましょう。

業務内容

契約社員は、担当する仕事の範囲が決まっているケースが多いです。雇用契約にも、業務範囲が明確に記載されており、決められた業務内で力を発揮することが求められます。一方、正社員の場合、責任ある仕事を任されたり、将来的なキャリアアップを見据えて多様な業務に携われたりします。

正社員は昇進や昇格もありますが、契約社員の場合は、基本的にそういった制度がない会社が多いです。何年働いてもスキルが上がらない、キャリアアップにつながりにくいといった課題もあります。

ボーナスはないが契約社員として働くメリット

一方、契約社員にもメリットがあります。ボーナス以外のメリットは、下記の3点です。

  • ワークライフバランスを重視できる
  • 転勤がない
  • 希望の職種で働きやすい

ワークライフバランスを重視できる

契約社員は、基本的に残業が少なく、契約時の勤務日数や勤務時間の範囲内で働けます。複数の契約社員が同じ仕事を行う業務の場合、より自由に休みが取れるといったケースもあり、仕事とプライベートの両立も可能です。「夕方からは習い事がしたい」「子どもを迎えに行きたい」などの要望も叶えやすいでしょう。

また正社員のようにフルタイムで働く必要もありません。さらに契約期間が定められている分、特定の期間だけ働きたい方もスムーズに退職できます。

転勤がない

近年は「勤務地限定正社員」という雇用形態も増えつつあるものの、正社員の場合、職種によっては転勤の可能性が高いです。一方、契約社員の場合、転勤はほとんどありません。契約時点で勤務地が決められており、「自宅付近で働きたい」「県外に引っ越したくない」方にも好評です。

転勤は引っ越しを伴うため、環境の変化は大きなストレスになりかねません。契約社員は、一定期間同じ場所で働き続けられるメリットがあります。

希望の職種で働きやすい

企業は正社員雇用に対し、慎重です。採用後の人材育成コストなども考えると、容易には採用できないと考える企業もあります。一方、契約社員の場合、一定期間の雇用のため、人件費や人材育成コストの点からも採用難易度は低めです。

契約社員は、基本的に契約時点で業務範囲が明確になっています。自分のスキルや保有資格に関連した部署で働ける可能性が高いため、面接でも積極的にアピールしましょう。入社後、まったく異なる業務の担当になるといったケースは基本的にないため、自分の得意分野の業務に専念できます。

ボーナスがない契約社員が収入を増やす方法

契約社員として働き続ける限り、会社からボーナスをもらうことは困難です。ボーナス以外で収入を増やすための具体的なアクションを3つ紹介します。

  • 副業をする
  • 待遇の良い正社員に転職する
  • 契約社員から正社員になる

副業をする

就業規則の確認は必須ですが、会社から禁止されていなければ、副業をする選択肢があります。正社員に比べると、契約社員の副業のハードルは低めです。残業が少なく、時間に余裕があるため、副業に費やす時間を作りやすいでしょう。

短時間のアルバイト・パートのほか、スキルを活かしてクラウドソーシングサイトで案件を獲得したり、ハンドメイドのものづくりをネットショップで販売したりと、自分の得意なこと・やりたいことで稼ぐ方法があります。

待遇の良い正社員に転職する

現在働いている企業が、正社員登用制度を設けていない場合や、制度は存在しても実績がゼロの場合は、正社員を目指して転職活動を行う方法があります。正社員になることで、業務の幅が広がり責任を求められるといった点はあるものの、自分のスキルや経験を活かし、興味のある仕事に就くことでメリットが上回るでしょう。

正社員になることで、ボーナスや待遇の大きな改善が期待できます。近年の日本は、人手不足が続いており、未経験からの転職に対しても積極的に受け入れる企業も増えています。

契約社員から正社員になる

正社員登用制度があり、過去に制度を活用し正社員になった先輩がいるのであれば、契約社員から正社員を目指すのもひとつの方法です。職場環境が変わらないため、新しく人間関係を構築したり、仕事を覚え直したりする必要もありません。

まずは先輩や上司に正社員登用制度の具体的な内容について質問し、試験や面接の対策を行いましょう。無事合格すれば、正社員として働くことが可能です。

契約社員のボーナスの有無は企業によって異なる

契約社員のボーナスの有無は、企業によって異なります。ただ、契約社員の場合、仮に支給されたとしても正社員に比べて額が低いケースが多く、利用できる福利厚生も少なめです。ワークライフバランスの実現などのメリットはあるものの、ボーナスや福利厚生の面から考えると、正社員との差は大きいといえます。

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